
会社では Claude と Codex が使えるようになり、AI ツールで仕事の進め方を改善することも強く勧められるようになった。さらに、それを後押しするための Workshop まで開かれている。そうした変化の中で、多くの人の働き方が大きく変わった。
私自身で言えば、もうほとんど手でコードを書かなくなった。PR review の段階では、いくつもの AI ツールがまず CI 上で一通りチェックをしてくれる。自分の手元でも、まず Claude に PR の変更範囲を説明してもらい、その上で一つひとつの修正が妥当かどうかを確認している。
実装面での変化はさらに大きい。以前は、まずその仕事を進めるために必要な情報を調べ、ざっくりしたアイデアを出し、ツールや API が本当に使えるかを確かめるためのテスト用スクリプトを書く、という流れだった。ひと通り試して、ひと通り考えて、ようやく気持ちの準備が整ってから本格的に手を動かし始める。実際にプロジェクトに入るコードの一行目を書くころには、もう数日たっていることも珍しくなかった。しかも私はかなり single-thread な人間で、一度に処理できる仕事は基本的に一つだけだった。
今でも最初に考えて調べること自体は変わらない。ただ、速度はずっと上がった。社内には内部ドキュメントをすでに索引化した AI agent があり、それとやり取りするだけで、仕事に関わる背景や経緯の大部分を把握できる。以前ほど同僚に聞き回る必要もない。試作段階でも、Claude の助けを借りればいろいろな可能性をすぐ試せる。設計が固まったあとは、実装も Claude に任せることが多くなり、速度も品質も自分でやるよりずっと良い。何より大きいのは、以前のように「気分が乗るまで待つ」必要がなくなったことだ。以前なら気持ちが整わないと始められなかった作業でも、今はかなり気軽に前へ進められる。検証までの時間が短くなったことで、考えるときの引っかかりも減り、次に何をするか、どこを直すかをずっと考え続けられるようになった。
昔ならイライラしていたことの多くも、今はかなり気にならなくなった。たとえば Jira の ticket が雑に書かれていて、実装してから追加の要件が生えてきても、以前ほど苛立たない。昔は同僚に比較してもらうためだけに複数案を実装して、かなりの労力を使った記憶がある。でも今は、そのコストがずっと低い。工数が膨らみすぎるからといって妥協する場面も減った。相変わらず私は多重並行が得意ではないが、context switch のコストが下がったおかげで、三つくらいのことを同時に回せるようにはなった。
こうした変化の恩恵はかなり現実的だ。みんなの作業能力も効率も上がっている。ただ、効率が上がったからといって、会社がそのぶん本当に成果を増やせるとは限らない。
今の就職市場はどこか不穏だ。AI 関連の職種は次々に現れている一方で、ソフトウェア会社のレイオフは止まっていない。Snap は最近、およそ 1,000 人を削減し、さらに 300 件の採用枠を閉じた。AI ツールの助けがあれば、より小さなチームでも従来どおりの開発と保守を回せる、と彼らは考えているのだろう。その理屈自体が完全に間違っているとは思わない。けれども、気がかりなのは、AI が本当の意味で成果を増やしているわけではなく、単に効率を上げているだけかもしれないということだ。少なくとも Snap は、現時点ではより明確な成長の方向を見つけられておらず、コスト削減で利益を守るしかない状態に見える。
自分の会社もいずれ同じ道をたどるのではないか、と私は不安になる。新しい方向がなければ、効率化は結局、私たちのような末端のエンジニアの未来を削るだけかもしれない。
近いうちに開かれる AMA では、プロダクトの将来について自分なりの考えを出して支持を求めるだけでなく、二つの質問も投げた。経営陣の頭の中にある答えが、単なる人員削減だけでないことを願っている。質問の原文は次のとおりだ。
- AI is making engineering teams more productive, but how will we use those gains? How is leadership thinking about turning AI-driven productivity into growth — through new products, new directions, or new market opportunities — instead of treating it mainly as an efficiency lever?
- If AI gives teams more capacity, do we have a structured way to turn that into innovation? Are we helping teams experiment, pitch ideas, or pursue cross-product opportunities, so that higher productivity leads to broader impact rather than just faster delivery?
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注: この記事は繁体字中国語から翻訳したものです。